ニュートリノには次の3種類ある。
・τニュートリノ
(タウニュートリノ)
・μニュートリノ
(ミューニュートリノ)
・電子ニュートリノ
「3種類ある」と言ってもリンゴとミカンとバナナの3種類というのとは少し違う。これらは独立しているわけではなく、μニュートリノがτニュートリノに、或は、τニュートリノが電子ニュートリノにというようにバタバタと変化するのだそうだ。
3種類のことを「フレーバー」と呼び、バタバタ変化することを「ニュートリノ振動」という。
何故3種類あるのか、何故振動するのか、それらについては詳しくないのだが、もう1つよくわからないことがあった。
それが
「ニュートリノが振動するということ、それはすなわち、ニュートリノが質量を持つということを意味する」
ということである。
ニュートリノ振動がなぜ質量の有無につながるのか。
その答えがここにあった。
村山斉著
『宇宙になぜ我々が存在するのか』
~第3章 とても不思議なニュートリノの世界~
まず、アインシュタインの特殊相対性理論をひもとく必要がある。
特殊相対性理論からは次のことが導きだされる。
「物質の動く速度が速ければ速いほど、時間の進む速さは遅くなる」
これについてはコチラ→
「光速が不変だと何故時間の進みかたが変わるのだろうか?」
そしてコチラ→
「では一体、相対論によると時間の進み方はどれくらい変わるのか」
を参照されたい。
とにかく、速く動けば時間はゆっくり流れる。動きをどんどん速くして光速に達すると時間は止まる。光速で走行する光は「時間を感じない」のである。
そして、もう1つ。
「質量があると光速に達することはできない」
質量を持つ物質の速度を速くすればするほど、加速しにくくなる。光速に達するためには、計算上、無限大のエネルギーが必要となる。
光が光速で動けるのは光には質量がないからである。質量を持つ物質は等しく光速に達することはできない。
さて。
ニュートリノ振動。
これは、ニュートリノが3種類の間でバタバタと変化するということである。言い換えると「ニュートリノは時間が経つと別のものに変化する」ということであり、すなわち「ニュートリノは時間を感じている」ということになる。
結局のところ、次の論法で、「ニュートリノには質量がある」ということになるのだそうだ。
ニュートリノは振動している
↓
ニュートリノは時間を感じている
(時間を感じないのであれば、変化するはずがない)
↓
ニュートリノの速度は光速より遅い
(光速で移動するのであれば、時間は感じないはずだから)
↓
ニュートリノには質量がある
(質量がなければ光速で移動するはずだから)
「時間を感じない」
相対性理論の話には必ず時間に関する解説が伴う。
「時間が遅れる」
「時間の流れは絶対的なものではない」
相対性理論と時間の話はいろいろ読んできた。その中で「時間を感じない」というこの表現は極めて主観的だ。それ故か、実に新鮮だった。
「時間を感じない」
その世界を体感してみたいものだ。
Ayumi Katayama